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2005年12月12日 (月)

地域力2

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11日(日)に県民俗学会秋季研究大会が日向市で開かれた。
日之影町史と日向市史の民俗編を編纂した担当者がその経緯や課題などを報告した。シンポジュームも開かれ質疑もなされた。どこの自治体も文化関係の予算は削られ、今後市町村史編纂は困難になるだろうといわれている。また市町村合併により、編纂の見直しも迫られている。編纂した資料の活用も図っていかなければならない。そんななかで地道な作業が続けられてきた。

民俗学は歩く学問といわれている。生活に密着した学問でもある。古くから言い伝えられてきた生活習慣や風俗を収集し記録として残す。聞き取りや聞き書きがそのベースとなる。そこには忘れられた生活の知恵や、恵まれた自然への恩恵や感謝が息づいている。調査には地域住民の理解と協力が必要だが、一人暮らしの古老に尋ねると、思いもよらず「よくぞ聞いてくれた。誰かに伝えたかった。」と逆に感謝されることもあるという。

古老たちの知恵や言い伝えにもっと注意がはらわれてよい。今回の台風被災でもそのことを強く感じた。古くからの言い伝えを信じて、川の増水や地形の変化から早めに避難し、災害を最小限にくい止めたところ、あるいは逆に住宅地には不向きなところが宅地化され、被害を大きくしたところもあったと聞く。

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下倉の学頭橋のふもとには水神様が立っている。もともとは瓜田川や大淀川のあちこちに立てられていたのをここ一箇所に集められたと聞くが、恐らくこれまでの大洪水や水害のたびに水神様を立て、祈りとともにその当時の状況が伝えられてきたのだと思う。そしてその知恵を活かしてきた。

地域力を強めるためには、その地域に住むお年寄りたちの知恵が欠かせない。身近なお年寄りから、古くからの言い伝えやこれまでの経験を聞くことから始めなければならない。家の歴史や村の歴史など、次世代に伝えたいと思われていることがらが、たくさん埋もれているはずである。

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下倉地区の夏季親子レクリエーションは、「古老に怪談話しを聞く」であった。三人のお年寄りの方にこの地区にいい伝えられてきた怖い話をしてもらった。親の世代も含めて、初めて聞く話が多く、子どもたちにも大好評であった。その夜は子どもたちはみんなで公民館に泊まることになっていたが、低学年のなかには怖くなって自宅に帰った子どももいた。

少女誘拐殺害事件ではないが、こんな地域での怖い話は防犯の上からも有益ではないかと考えている。恐らくこのような怪談話から、子どもたちは危険な場所や危険な状況を教え込まれてきたのではないか。地域力のためにも民俗学はとても有用な学問である。

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