斎場ウタキ
沖縄出張の最終日、半日ほど時間が空いたので、タクシーを貸し切って沖縄本島中南部を散策してみた。北中城村の中村家住宅、中城城址、南城市の斎場ウタキ、知念岬、糸満市の平和記念公園、摩文仁の丘などである。
久高島に渡ってみたかったが、フェリーと飛行機の時間帯が合わず、今回は断念せざるをえなかった。しかし、斎場ウタキから見た久高島は最高であった。はるか東の海の彼方にあるニライカナイ、そこからやってくる来訪神が最初に上陸する島が久高島である。
12年に一度行われていたイザイホーはすでに後継者不足で廃れているが、その神聖な儀式の記憶は、私の想像のなかにも生きている。神に我が身を捧げた女性たち、男子禁制を貫き通し、部外者の調査も頑なに拒否してきたこの習俗は、沖縄の歴史、文化、民俗のなかでも、何より神聖な祭りごとのひとつとして刻み込まれている。
澄んだ青空と紺碧の海、リーフでできた島影、珊瑚の石灰岩、亜熱帯植物、鳥の囀り、蝶の乱舞、その神聖な空間から見渡す久高島はまさに絶景であった。世界遺産の一角に指定されたということだが、世俗に荒らされないことを切に願った。
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