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2006年12月 3日 (日)

内藤記念館

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延岡市に所用があって行ってきた。
若山牧水の歌で知られる「城山」の北側に、延岡藩主(内藤家)の御殿跡がある。小高い丘の上にあるが、現在は内藤記念館として歴史民俗資料の展示や研修施設としても使われている。以前は結婚式場としても利用されていた。そこは私にとって延岡在住時代から好きな散策場所であった。久しぶりに訪れてみた。たまたま「空の先駆者、後藤勇吉展」をやっていた。

後藤勇吉については、最近では宮崎の偉人として、小学校の副読本にも載っている。日本人最初の一等航空機操縦士で、飛行機による「日本初」の事業を次々に成し遂げている。少年時代よりほんとに機械いじりが好きだったという。1928年2月、太平洋横断の訓練中に佐賀県の山中に激突、事故死している。享年33歳の若さであった。当時の時代状況から国威発揚の意味合いもあったのであろう。しかし、彼の足跡からは何か自由な精神を感じた。

日記のなかに「俺は空を飛んで居るんだ。俺は幸福だ」と書いた後、「空を飛ぶことは孤独になることだ。何か大声で叫びたくなる。」というようなことも書かれてあった。空は期待と同時に、孤独と無常を感じさせるのかもしれない。

館を出た後、庭園に回ってみた。池や築山でデザインされた日本庭園には、かやぶき屋根の「静思庵(せいしあん)」が建っている。高千穂町三田井地区から移築された民家であるが、いまでも茶会などに利用されているという。静かで情緒的な雰囲気を漂よわせている。今、ちょうど楓が落葉の盛りであった。歴史的なたたずまいと季節の変化を見て、ひとときせわしい世情を忘れた。

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